今回プログラムを実施した、神奈川県川崎市にある大規模マンション

今回プログラムを実施した、神奈川県川崎市にある大規模マンション

子どもを主体に防災の大切さを学ぶワークショップを、川崎市の大規模マンションにて実施しました。放 課後を利用して子どもが地域の大人からさまざまな知恵を学ぶプログラムを展開する放課後NPOアフタースクールと共同で企画・開発。さらに危機管理教育研 究所代表の国崎信江先生に監修いただきました。

「地震が来たときマンションにひとりだったらどうする?」という想定のもと、阪神大震災の様子などの映像を交えながら国崎先生の話を聞き、それを踏まえて「防災クイズ」やゲーム感覚で取り組める「防災グッズ探し」、「災害時レシピ作り」に挑戦しました。

小学校低学年の子どもたち40名が参加!保護者の方々もその様子を見守る

小学校低学年の子どもたち40名が参加!保護者の方々もその様子を見守る

参加者である小学校低学年を中心とした子どもたちが飽きないよう、一つひとつのプログラムが長くなりすぎないよう構成し、また司会者との応答やグループ内での話し合いの時間を設けるなどの工夫をしました。当日、子どもたちには集中力をもって各プログラムに取り組んでいただきました。また、見学にいらっしゃった保護者の皆様にも、子どもたちが楽しんで防災を学ぶ機会になったと評価する声をいただきました。

防災プログラム内容

使える・役立つ防災クイズ

Q:家で地震が起きたらどうする?

選択肢A:廊下に出る

選択肢B:冷蔵庫など大きいものにしがみつく

このように、シチュエーションに合わせて、災害時にどう行動すべきかを問う「防災クイズ」を行いました。この問題の答えはA。地震で室内のものが激しく動く映像を出題の前に見た子どもたちは、全員正解!廊下に逃げ道をふさぐおそれがあるものを置かないようにするといった、日頃から気を付けるべきこともあわせて学びました。

家族との連絡の取り方を具体的に知る

少しずつクイズの難易度はアップしていきます。

Q:お母さんの携帯電話に連絡がつかないとき、どうする?

選択肢A:諦めてお父さんの会社や遠くのおじいちゃんに電話する

選択肢B:お母さんにかけ続ける

選択肢C:災害時に伝言が残せる電話にかける

 

Aかな? Bかな? 答えを掲げる子どもたち

Aかな? Bかな? 答えを掲げる子どもたち

じつは「A」「C」どちらも正解。災害時には携帯電話がつながりにくくなること、家族の誰かに自分の安否や居場所を伝えることの大切さを知ってもらいました。

考えるから、知識が身につく

少し難しい問題にはスタッフがサポートにつき、子どもたちの意見交換に加わりながら、「自ら考える」ことを尊重。いざというとき、自分の身を安全に守る行動について学習することを目指しました。

探そう! みんなの防災グッズ

「地震が起きたとき、家にひとりだったら、避難するとき何を持っていく?」という問いかけから、探検ゲー ム感覚で自宅の防災グッズを探すプログラム。20個のアイテムが書かれた「災害時持ち出しリスト」から2個、自分で自由に選んだ防災グッズを1個、合計3 個を自宅まで戻って探し出しました。

持ち寄った防災グッズを友だちやスタッフに披露

持ち寄った防災グッズを友だちやスタッフに披露

どうしてこれを選んだのか、理由と一緒にアイテムを紹介

どうしてこれを選んだのか、理由と一緒にアイテムを紹介

リストにはさまざまなグッズが並ぶ

「災害時持ち出しリスト」には「懐中電灯」や「ラジオ」などの基本的なものから、「止血パッド」「除菌剤」といった少し難しいもの、「ゲーム」「おもちゃ」といった子どもたち自身に向けたものまで、さまざまなアイテムが並んでいました。マンション内でスタッフが待機し、随時子どもたちの相談に応じながら、探検の様子を見守りました。

それぞれの基準で選んだ「必要なもの」

リストのなかでもっとも多くの子が選んだのは「懐中電灯」。なかには、ラジオ付き懐中電灯や電池の要らない手回しのもの、ソーラーライトなどを持ってきた子もいて、「いろんな防災グッズがある」と知る機会にもなりました。ほかには「笛」「マスク」「ヘルメット」「小銭」が多数派。自分で自由に選んだものは、ビスケットや水、毛布、携帯電話、防災頭巾など、多岐に渡りました。

「備え」の見落としを確認する機会にも

子どもたちは持ってきたものを発表し合い、それぞれのグッズが果たす役割を確認しました。司会者が「なぜそれを選んだの?」「持ってきたもののなかで一番大切なのはどれだと思う?」などの問いかけをすることで議論を深めました。リストにあるアイテムはどれも災害時に必要なもの。家庭に準備してあるかどうか、すぐ持ち出せる場所に置いてあるか、親子で再確認するきっかけになりました。

かんたん&おいしい! みんなの防災ごはんづくり

味のりやハムを使えば、調味料がなくてもおいしいメニューが作れる

味のりやハムを使えば、調味料がなくてもおいしいメニューが作れる

滞留生活時の栄養バランスも考えた3品

滞留生活時の栄養バランスも考えた3品

災害時、電気やガス、水道が止まることを想定して、熱源や水がないなかでの料理を体験しました。メニューは、「ひじきと野菜のまんてんサラダ」「ハムチーズのりのりミニドッグ」「はちみつコーンフレーク」の3品。スタッフによる試作を見学したあと、グループに分かれて調理開始です。

 

実践的な方法を学ぶ

洗いものを出さず、水を節約できるようにお皿はラップで包みます。消毒したはさみが包丁の代わりになり、材料を混ぜるときもボウルがなければポリ袋を使います。工夫を凝らせば身の回りのもので代替できることも学びました。

頑張った分だけおいしいことを実感

ひとつの道具を貸し合ったり、友だちやきょうだいを手伝ってあげたり。子どもたちはすばらしいやる気と集中力で3つのメニューを作り上げました。最後は保護者の方も一緒に試食会。

参加者の声

管理組合理事・フレンドリークラブ 萩原様からのコメント

管理組合理事・フレンドリークラブ 萩原様子どもを対象としたプログラムということでしたが、親にとっても学びの多いものでした。防災グッズが家 のどこにあるか、大人でも把握していないことは多いと思います。実際の災害時に役立つ知識が得られる企画ですし、これをきっかけに「備えよう」という気持ちが起こり、行動にもつながっていくと思います。

東日本大震災から2年が経ち、住民の防災意識が下がっているなという実感もあって、今回の実施に至りました。土日を利用してのイベントの企画・準備はとても大変です。今回はつなぐネットコミュニケーションズにお願いしたことでその点の不安がなかったですし、参加者を募る際にも全戸へのチラシ配布など、普段より広く、効果的に呼びかけることができました。これからは、津波や液状化なども意識し、周辺地域とも連携しながらの防災に取り組みたいですね。

放課後NPOアフタースクール代表 平岩様からのコメント

放課後NPOアフタースクール代表 平岩様私たちにとって、「マンション」で「防災プログラム」という初の試みでした。子どもが主役の防災訓練という目的が十分果たせたと思います。どうすれば子どもたちを飽きさせずに3時間引き付けておけるか、企画段階では苦労しましたが、「のって」くれれば何時間でももちますね。

マンションはコミュニティができているような、できていないような、微妙な空間です。そのようななかで、ある種の一体感を子どもも親も持って終えることができたので、これから先、コミュニティ作り促進につながっていくように思います。今後は、お母さんたちも参加できる仕組みや、子どもがいない人、高齢者の方も巻き込んでのコミュニティ形成ができる仕掛け作りをしていきたいです。


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