震災時、仙台市青葉区のアスファルトが損壊した道路(写真提供:仙台市)

震災時、仙台市青葉区のアスファルトが損壊した道路(写真提供:仙台市)


東日本大震災の本震で最大震度6強(宮城野区)を記録した仙台市。市内にマンションも数多く被害を受けました。

しかしその後、仙台市は震災の教訓を活かして、「分譲マンション防災マニュアル作成の手引」の提供や、「杜の都 防災力向上マンション認定制度」を制定するなどして、積極的に防災へ取り組んでいます。

仙台市防災支援活動


杜の都防災力向上マンション認定制度
分譲マンション防災マニュアル作成の手引き(PDF)


東日本大震災の発災から回復まで、仙台市の災害状況

2011年3月11日の東日本大震災は、マグニチュード9.0、最大震度6強(宮城野区)というものでした。仙台市の東部沿岸地域では推定7.2m(仙台 港)の津波により、家屋が浸水し、ライフライン施設が損壊。丘陵地域では、地滑りなどにより多くの宅地が被害を受けました。

東日本大震災による仙台市の被害

死者数 997名(平成27年2月28日現在)
(※市外で死亡が確認された方175名を含む)
負傷者数 重傷:276名
軽傷:1,999名
(平成27年2月28日現在)
建物被害 全壊:30,034棟
大規模半壊:27,016棟
半壊:82,593棟
一部損壊:116,046棟
(平成25年9月22日現在)

(平成27年6月10日現在、仙台市ホームページより)


分譲マンションの建物被害

仙台市内の約1,400棟の分譲マンションでは、100棟以上のマンションが「全壊」の罹災判定を受けるなど、建物や受水槽などの付帯設備が大きな被害を受けました。

仙台市内では倒壊したマンションはなかったものの、建物の傾斜や構造躯体の破損といった構造的な被害を受けたマンションも若干数ありました。

マンションで多く見受けられた被害

  • 共用廊下やバルコニーなどの非耐力壁の損傷
  • 高架水槽、受水槽などの外部部材の破損
  • 敷地内のアスファルト舗装の沈下、配管の損傷

ライフラインの被害

津波や地震によって、電気・都市ガス・水道、交通機関、通信インフラにも大きな被害が生じました。

マンションにおけるライフラインの復旧までにかかった時間

電気 3日間
都市ガス 1ヶ月
水道 1週間

(仙台市「分譲マンション防災マニュアル作成の手引き」平成25年1月より)

上記はマンションにおける復旧期間の目安ですが、災害時はガスの復旧までに時間がかかることを念頭においた防災対策の必要性があります。

また下水道施設では、市内下水の7割を処理する浄化センターが津波により水没し処理機能が停止しましたが、適切な対応により市内に汚水が溢れることなく、市民の下水道利用も可能でした。(※仙台市「東日本大震災 仙台市震災記録誌」平成25年3月 p.60より)

通信インフラでは、停電時に黒電話を1台だけ残しておいて役立ったというマンション事例もありました(※停電時でも電話線と電話局が無事な場合、ダイヤル回線を使う黒電話は利用可能なため)。

上記のような仙台市での迅速なライフラインの復旧は不幸中の幸いでしたが、今後起こりうる地震に備えて、ライフラインが停止した状態でのマンション内被災生活を想定した防災計画を立てておく必要があります。今回の仙台市の被害データをぜひ参考になさってください。

り災時に、行政・自治体の支援を受けるための手続き

り災した際に、行政や自治体の支援を受けるためにはさまざまな手続きが必要です。しかし、受ける支援の内容によって担当課が異なることは意外と知られていません。たとえば、以下のように担当部署は異なります。

※仙台市の震災当時の例(各自治体により体制は異なります)

  • 建物の応急危険度判定(各区街並み形成課)
  • り災証明の手続き・被害認定(各区・総合支所固定資産税担当課)
  • 応急修理制度(財産管理課)

 

り災証明などの発行は、保険請求などにも関わる重要なものです。仙台市では、震災当時は総合窓口を設け、そこから各担当部署をご案内するかたちで、市民のご要望に対してスムーズに対応できるよう努めていました。

<まとめ>

都市部で震災が発生した場合、どのような被害状況に陥るのかということが、仙台市の被災状況データでおわかりいただけたでしょうか?
次の記事では、仙台市が震災を教訓として取り組んだ防災支援制度などの内容についてご紹介します。


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